イノシシを殺して食べるまで。命を食べるということ。

みなさま、寒くなってきましたがいかがお過ごしですか?

この記事を書くかどうか、とても迷ったにゃん吉(にゃん吉@しあわせびと)です。

この前、地元の猟友会の皆さんに、イノシシを殺して解体して食べる集まりに誘っていただき、行ってきました。

私を含めた新人猟師の歓迎の意味もあり、先輩方が解体を教えてくださったり、お肉をたくさん戴いたり、たいへん良くしていただきました。

今回は、いのししを殺して食べるまで。命を食べるということについて書いていきます。

イノシシが飼育されていた

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東京からみんなで車に便乗し、着いた先は山梨県の山の中でした。

私たちが殺して解体して食べるイノシシは、そこにあるスペースの檻の中で飼育されていました。

猟でわなにかかったイノシシの子どもを檻に入れ、餌を与えて大きく育て、食べるときに解体するとのことです

イノシシを猟犬が追う

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通常ですとイノシシは檻から出してすぐ殺し解体するのですが、今回は猟犬の訓練のためにイノシシを一旦山の囲いに区切られたスペースに放し、そのイノシシを猟犬に追わせることになりました。猟犬は、イノシシをしっかり追えるものと、しり込みしてしまうものとに分れていました。しりごみしてしまう猟犬にはっぱをかけるのは人間の役割です。

隅に追いつめられたイノシシ

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囲いで囲われたスペースは、イノシシにとって逃げることができない場所です。猟犬に追われて追いつめられたイノシシは囲いの隅に陣取ります。そして、吠え噛み迫る猟犬を威嚇したり、隙あらば牙で反撃したりします。囲いの中で、イノシシと猟犬の長い死闘がありました。

イノシシにとどめを刺したのは人間

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最後は猟犬が疲れ果ててしまい、とどめは人間がイノシシを棒で殴って弱らせたあとナイフを喉元に刺し、行いました。イノシシの断末魔の叫びが森に大きく響きました。1刺しではイノシシは死なず、さらに刺して殺しました。その間イノシシは、バタンバタンと最後の力を振り絞って動くので、人間も注意しないと巻き添えになりかねない危険な状況です。

イノシシが死んだらすぐ解体

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イノシシが死んだことを確認したら、後ろ足を1本づつ持って、イノシシを引きずり車まで運びます。そこから解体場所まで移動し、すぐに解体をはじめます。

イノシシの解体の大まかな手順

  1. まず、イノシシの体を水洗いします。解体場所は水が出たので、ホースで水をかけてデッキブラシでこすります。この時にとどめを刺した傷口もよく洗い、血を流します。
  2. イノシシを天井から逆さに吊ります。
  3. イノシシの肛門部分をくり抜きます。
  4. イノシシの腹を裂き、臓物を引き出します。
  5. イノシシの皮を剥ぎます。
  6. イノシシの頭や足先を切り落とします。
  7. イノシシの肉を部位ごとに切り取ります。
  8. イノシシの肉をさらに細かく切り分けます。

 

私はイノシシの臓物を洗い、腸の中身を洗ってきれいにする作業を受け持ちました。

先輩方からは「臭くてたいへんな作業だよ」と言われましたが、実際にイノシシの死を目に前に見たあとでは、小腸や大腸の中身が臭いから嫌だという気持ちは一度も起こりませんでした。それよりも、亡くなったイノシシのことを思うと、「残らず全部食べてあげたい」という気持ちになって夢中で洗っていました。腸は手に持つとすべるし、厚い脂肪がついているところなどは何が何だかわからないし、腸を洗ってきれいにするといっても手早くきれいに行うには熟練が必要だと痛感しました。幸い、同じ新人猟師と2人で行ったので一緒に四苦八苦できたのはよかったです。

イノシシの解体が終わったらみんなで昼食

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解体作業はみんなの共同作業です。みんなで作業を終わらせたら、みんなで昼食をとります。今日は、森のキノコがいっぱい入ったうどんと、イノシシ肉とシカ肉の焼肉です。お腹がすいていたので夢中で食べました。抜群のおいしさでした。

イノシシを殺して食べるまでを振りかえる

新人猟師は、解体自体がはじめての人が多かったのですが、ひとりも気持ち悪いとか汚いと言う人はいなかったです。私も目の前で臓物や肉やあばら骨が露わになっていましたが、不思議と全く気持ち悪さなどはなかったです。

それに対してイノシシを殺すところに関しては、新人猟師はみんなそれぞれの衝撃があったようです。私も含めて帰りの車ではその話題が出ました。私は車の中では自分も割り切って考えようとしていましたが、家に帰ってひとりになると、辛くなってしまって泣きました。イノシシが断末魔であげた悲鳴のような叫びが思い出されて、イノシシの死が重く重く感じられました。

イノシシのために祈る

その夜、私はイノシシのために祈りました。命をくれたイノシシに対して、ありがとうと感謝を込めて手を合わせました。そして、自分が、幾多の命の犠牲の上で生存していることを思い知りました。いままで当たり前のように食べていたけれど、幾多の命を食べていたのだと思うと胸が痛かったです。それでもこれからも自分は他の命を戴いて生きていかなくてはならない。その重さを知った長い夜でした。

イノシシの腸のその後

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イノシシの腸は、その他のお肉と共に新人猟師が戴き各自持ち帰りました。私は、家で腸をさらに水洗いしたあと細かく切り、塩を入れた湯で2度ゆでてあくを取り、タッパーに入れて冷凍にしました。

このイノシシのお肉は腸も含めてみんなに振る舞いたいです。

にゃん吉
あの夜にイノシシのことを一緒に祈ってくれた友に感謝します。ありがとう。

 

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